仙腸関節由来の痛み
仙腸関節は腸骨と仙骨の間に存在し
加齢や変性などで衝撃を吸収できない状態になると痛みを生じます
症状は
疼痛域 上後腸骨棘を中心として上下へ帯状へ広がる 痛み
鼠径部痛(約50%) 大腿外側から下肢(デルマトームに一致しない) 痛み しびれ
診断は
1.疼痛誘発テスト 仙腸関節関節へ負荷を加えて痛みが再現できるかの検査
(Newton変法テスト Gaenslenテスト Patrick test)下肢SLRテスト
2.仙腸関節スコア 4点以上(9点満点)
one finger test 陽性(3点)
人差し指で 痛む部位として上後腸骨棘付近を指す
鼠径部痛(2点)
椅子座位時疼痛増強(1点)
仙腸関節shearテスト(1点)
上後腸骨棘の圧痛(1点 )
仙結節靱帯の圧痛(1点)
3.仙腸関節関節ブロックで痛みが3割以下に軽減する
4.仙腸関節MRI CTなどの画像診断では特異的な所見はない
治療は
骨盤ゴムベルト
仙腸関節ブロック
難治例は手術 になる場合もあります
参考文献
仙腸関節関節由来の腰痛 村上栄一 日本腰痛会誌 13(1) 40-47. 2007
仙腸関節障害の確定診断法と手術療法の変遷からみた低侵襲仙腸関節関節固定術の適応 黒澤大輔 J Spine Res. 12:840 - 850, 2021
仙腸関節痛の発生・慢性化のメカニズム 黒澤大輔 J Spine Res. 12:808 - 813, 2021