顔面に生じる痛みで比較的多いものは
- 帯状疱疹後神経痛(当ブログ、帯状疱疹の痛み、帯状疱疹の痛みの治療)
- 三叉神経痛(当ブログ三叉神経痛)
- 舌咽神経痛
英語ではBurning mouth syndromeと呼ばれ、糖尿病や心因性などの関与が考えられていますがはっきりとした原因はまだ分かっていません。
通常閉経後の女性に起こり、舌の先、舌の前方2/3に灼けるような感覚が合ったり、痛みがあります。
痛みの他に味覚異常を感じたり、口の中が乾燥したりと言った症状がある場合もあります
これまでは原因不明とされていましたが、口腔内の粘膜に伸びる細い神経(三叉神経の枝)の密度が少ない事による神経障害の痛みの可能性があると言う報告があります。(参考文献)
三環系抗うつ薬や抗けいれん薬で痛みが軽減することからも神経障害性の要素が関与する痛みであると言えるでしょう。
ペインクリニック科では投薬治療に加え頭頸部の痛み治療に有効な星状神経節ブロック治療を併用することがあります。
器質的な原因を特定する事が難しいのですが、現在の痛みの性状を伺いながら適切な治療法を選択、組み合わせていくことが必要となるでしょう。
参考文献
Lauria G, Majorana A, Borgna M et al: Trigeminal small-fiber sensory neuropathy causes burning mouth syndrome. Pain 115:332-337, 2005.